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架空庭園の書 〜新ウィーン楽派の歌曲を集めて〜
Das Buch der hängenden Gärten

SCHÖNBERG | WEBERN | BERG



ALCD-9147 税込価格¥3,080(税抜価格¥2,800) 2015/03/07発売  JAN 4530835 110804長島剛子ソプラノ
梅本実ピアノ

Takeko Nagashima, soprano
Minoru Umemoto, piano

《架空庭園の書》はこれまた世紀末風のエロスの奥深い神秘感に貫かれ、出口のない愛の高揚感と停滞感、緊張感と安堵感、闇の親しみと不安のなかではほのかに明るい出口をまさぐる様子を的確に表現している。新ウィーン楽派の持ち味にピアノとともにこれほど魅力的に迫りえた演奏もまれだ。(喜多尾道冬氏・レコード芸術2015年5月号より)

平成27年度(第70回)文化庁芸術祭参加



アルノルト・シェーンベルク Arnold Schönberg (1874-1951)

ブレットル・リーダー(キャバレー・ソング)より
1 ガラテーア(F.ヴェーデキント)
2 分をわきまえた愛人(H.ザルス)
3 ギガルレッテ(O.J.ビアバウム)

4つの歌曲 作品2
4 期待(R.デーメル)
5 君の金色の櫛を僕におくれ(R.デーメル)
6 高揚(R.デーメル)
7 森の日差し(J.シュラーフ)

アントン・ヴェーベルン Anton Webern (1883-1945)

『第7の環』による5つの歌曲 作品3(S.ゲオルゲ)
8 これがあの歌だ
9 風の中で
10 小川の岸辺で
11 朝露の中に
12 葉の落ちた木が枝を伸ばす

アルバン・ベルク Alban Berg (1885-1935)

4つの歌曲 作品2
13 眠るんだ、眠るんだ(F.ヘッベル)
14 眠り込んだまま私は(A.モンベルト)
15 私は最強の巨人を倒した(A.モンベルト)
16 大気は暖かい(A.モンベルト)

アルノルト・シェーンベルク Arnold Schönberg

シュテファン・ゲオルゲの『架空庭園の書』より15の歌曲 作品15
17 I. 密生した木の葉に覆われた場所では
18 II. この楽園の中では林が
19 III. 初めて私が貴方の領地に足を踏み入れた時
20 IV. 私の口元がこわばり、そして燃えるので
21 V. 私に言って、どの小道を
22 VI. 私はいかなる仕事も手に付かない
23 VII. 不安と希望が交錯し私の心を締め付ける
24 VIII. 今日貴方の肉体に触れなければ
25 IX. 幸せとはかくも厳しくつれないもの
26 X. 美しい花壇を私は待ち焦がれながら眺める
27 XI. 私たちが花で飾られた入口の陰で
28 XII. 深い褥の中で聖なる憩いのあいだ
29 XIII. 貴方は岸辺の柳に身をもたせ
30 XIV. 木の葉についてばかり語るのを止めよ
31 XV. 私たちは夕暮れによくそのあずまやに行ったものだ

〈録音〉彩の国さいたま芸術劇場 2014年8月29日、9月5日
〈解説〉國土潤一、長島剛子&梅本実

これがロマン派の到達点!シューベルト以来の歌曲集の伝統に立ち、マーラー、ツェムリンスキーによって極限にまで達したドイツ・オーストリア音楽を全身で受け止めた3人の作曲家――シェーンベルクとその愛弟子ベルク、ヴェーベルン。音楽の伝統の壁を大きく乗り越える十二音技法を打ち立てる1921年以前――1899年から1910年にかけてこの3人は、爛熟したロマン派の表現の内側で新たな音楽の姿を模索しつづけ、歌詞と音楽が濃密に結びついた傑作群を産み落とした。シュテファン・ゲオルゲの詩による名高い《『架空庭園の書』より15の歌曲》をはじめロマン派の到達点に位置する作品群を響かせるのは、19世紀以降のドイツ・リートを得意とし新ウィーン楽派演奏で特に高い評価を得ている長島剛子・梅本実デュオ。真摯に作品と向き合う二人から浮き上がるのは、ロマンティシズムに溢れたドイツ・リートとしてのシェーンベルク、ベルク、ヴェーベルン。人間の内面をえぐる肉薄した演奏が、作品の真実を露わにする。



Takeko Nagashima
(Photo: K. Miura)
長島剛子(ソプラノ)

 札幌に生まれる。北星学園女子高等学校音楽科を経て、国立音楽大学声楽科卒業。同大学院修士課程独歌曲専攻修了。ドイツ・デットモルト北西音楽大学卒業。その後ケルン音楽大学マスタークラスにてリート解釈法の研鑽を積む。1998年に「長島剛子・梅本実 リートデュオ」を結成し、声楽とピアノによる緊密なコラボレーションにより、19世紀末から20世紀のドイツ歌曲の演奏と紹介を軸に継続的な活動を続けている。2001年にスタートした「世紀末から20世紀へ」のリサイタルシリーズは昨秋で13回を数え、その間、知られざる作曲家を含め、のべ33人の近現代作曲家の作品を取り上げたが、19世紀末以降のドイツ歌曲を網羅するレパートリーの広さは他の追随を許さない。またシリーズごとにテーマを設定し、様々な切り口でドイツ歌曲をプログラミングする独自の企画とその演奏水準の高さで毎回多くの反響を得ている。
 1998年「新ウィーン楽派」、2001年「世紀末から20世紀へ」のリサイタルにより札幌市民芸術祭大賞。また2003年1月には前年の「長島剛子・梅本実リートデュオ・リサイタル-世紀末から20世紀へPart Ⅱ(シェーンベルク:「架空庭園の書」による15の歌曲他)により平成14年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞している。  青木恵美子、伊藤京子、尾畑真知子、H.クレッチマー、白井光子、H.ヘルの各氏に師事。  現在、国立音楽大学准教授。


Minoru Umemoto
(Photo: K. Miura)
梅本実(ピアノ)

 長崎に生まれる。幼少の頃よりピアノを始め、福岡音楽学院で学ぶ。東京藝術大学附属音楽高等学校、東京藝術大学を経て、同大学院修士課程器楽科ピアノ専攻修了。末永博子、勝谷壽子、伊達純各氏に師事。ドイツ・デットモルト北西音楽大学卒業。さらに引き続きハンブルクにて研鑽を積む。R.F.クレッチマー、C.ハンゼンの各氏に師事。  帰国後東京、札幌、福岡各地でソロリサイタル開催。札幌交響楽団、九州交響楽団と共演。またドイツ歌曲の共演ピアニストとして各地で幅広い活動を続けている。文部省在外研修員としてドイツ・カールスルーエ音楽大学において白井光子・H.ヘルのドイツ・リート解釈法クラスで学ぶ。作品内容の的確な把握に基づいて、響きを繊細にコントロールするピアニズムは長島とのリートデュオに遺憾なく発揮されている。
 札幌市民芸術祭大賞(1999年、2002年)、第9回道銀芸術文化奨励賞(2000年)、第29回札幌文化奨励賞(2001年)、平成14年度文化庁芸術祭優秀賞(2003年)受賞。  北海道教育大学助教授等を経て、現在国立音楽大学准教授。




Arnold Schönberg (1874-1951)

Brettl-Lieder (Cabaret Songs)
1 Galathea (Frank Wedekind)
2 Der genügsame Liebhaber (Hugo Salus)
3 Gigerlette (Otto Julius Bierbaum)

 Vier Lieder op.2
4 Erwartung (Richard Dehmel)
5 Schenk mir deinen goldenen Kamm (Richard Dehmel)
6 Erhebung (Richard Dehmel)
7 Waldsonne (Johannes Schlaf)

Anton Webern (1883-1945)

 Fünf Lieder aus „Der Siebente Ring“ op.3 (Stefan George)
8 Dies ist ein Lied
9 Im Windesweben
10 An Bachesranft
11 Im Morgentaun
12 Kahl reckt der Baum

Alban Berg (1885-1935)

 Vier Lieder op.2
13 Schlafen, Schlafen (Friedrich Hebbel)
14 Schlafend trägt man mich (Alfred Mombert)
15 Nun ich der Riesen Stärksten überwand (Alfred Mombert)
16 Warm die Lüfte (Alfred Mombert)

Arnold Schönberg

15 Gedichte aus „Das Buch der hängenden Gärten“ von Stefan George op.15
17 I. Unterm Schutz von dichten Blättergründen
18 II. Hain in diesen Paradiesen
19 III. Als Neuling trat ich ein in dein Gehege
20 IV. Da meine Lippen reglos sind und brennen
21 V. Saget mir, auf welchem Pfade
22 VI. Jedem Werke bin ich fürder tot
23 VII. Angst und Hoffen wechselnd mich beklemmen
24 VIII. Wenn ich heut nicht deinen Leib berühre
25 IX. Streng ist uns das Glück und spröde
26 X. Das schöne Beet betracht ich mir im Harren
27 XI. Als wir hinter dem beblümten Tore
28 XII. Wenn sich bei heilger Ruh in tiefen Matten
29 XIII. Du lehnest wider eine Silberweide
30 XIV. Sprich nicht immer von dem Laub
31 XV. Wir bevölkerten die abend-düstern Lauben