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アルルの女

プレイエル・ピアノによる ビゼー ピアノ作品集
L’Arlésienne
Œuvres pour piano de Bizet jouées au piano Pleyel




ALCD-1169 税込価格¥3,080(税抜価格¥2,800) 2017/12/07発売 JAN 4530835 111924小倉貴久子[フォルテピアノ]
Kikuko Ogura, fortepiano

レコード芸術 特選盤
毎日新聞 特薦盤
音楽現代 注目盤
CDジャーナル 今月の推薦盤














G.ビゼー  [1838-1875]

ラインの歌 〜6つの無言歌〜
  [1] 夜明け
  [2] 出発
  [3] 夢想
  [4] ボヘミア女
  [5] ないしょ話
  [6] 帰郷
[7] 幻想的な狩り 変ホ長調
[8] ノクターン ヘ長調 作品2
[9] ノクターン ニ長調
[10] 半音階的変奏曲 ハ短調
アルルの女 〜アルフォンス・ドデの3幕のドラマ〜 より(作曲者自身によるピアノ版)
   第1幕

[11] 1. 序曲
  [12] 6. 音楽劇と合唱 終曲l
   第2幕
  [13] 7. 幕間と合唱 パストラール
  [14] 15. 幕間
  [15] 17. 間奏曲 メヌエット
   第3幕
  [16] 18. 幕間 カリヨン
  [17] 21. ファランドール
  [18] 22. 幕間(アダージオ)
  [19] 23. 合唱
  [20] 26. 音楽劇
  [21] 27. 終曲



〈使用楽器〉
フォルテピアノ:プレイエル(1848年、パリ)

〈録音〉キラリふじみ 2017年6月5-7日



フォルテピアノの第一人者として、めざましい活動を続ける小倉貴久子。
今回はプレイエル・ピアノでビゼーの作品を取り上げた。
管弦楽作品として名高い「アルルの女」の、作曲家自身によるピアノ編曲版、
それも原曲の劇音楽からの編曲であることも特筆に値する。
19世紀パリの薫りを醸し出す彩り豊かな音色で、知られざるビゼーの珠玉のピアノ作品が、鮮やかにその光彩を放つ。



小倉貴久子(フォルテピアノ)

東京藝術大学を経て同大学大学院ピアノ科修了。アムステルダム音楽院を特別栄誉賞“Cum Laude”を得て首席卒業。1988年第3回日本モーツァルト音楽コンクール、ピアノ部門第1位。1993年ブルージュ国際古楽コンクール、アンサンブル部門第1位。1995年には同コンクール、フォルテピアノ部門で9年ぶり史上3人目の第1位と聴衆賞を受賞し話題を呼んだ。『音楽の玉手箱』や『ベートーヴェンをめぐる女性たち』、『モーツァルトの生きた時代』『モーツァルトのクラヴィーアのある部屋』などのユニークなコンサートシリーズを展開する一方、ソロ、室内楽、協奏曲などバロックから近現代まで幅広いレパートリーで活躍。また各ホール主催演奏会や音楽祭、ラジオ、TVの出演や録音も多い。浜松市楽器博物館でのレクチャーコンサートやコレクションシリーズでも高い評価を得ている。これまでにCDを40点以上リリース。それらの多くが読売新聞、朝日新聞、毎日新聞での推薦盤や「レコード芸術」誌の特選盤に選ばれている。CD《イギリス・ソナタ》は平成24年度文化庁芸術祭レコード部門〈大賞〉受賞。著書にカラー図解『ピアノの歴史(CD付き)』(河出書房新社)。校訂楽譜『ジュスティーニ:12のソナタ集 第1、2巻』(カワイ出版)。東京藝術大学古楽科非常勤講師。


ビゼーが《ラインの歌》の構想を得た、ジョゼフ・メリ(1797-1866)作の一連の詩「ライン逍遥」(1864年)逐語訳
訳:久野 麗(脚本家・音楽文芸研究家)

前奏曲
ラインはこの美しい河、何処の岬にも 
岩に刻まれた寓話や歴史がある。
ラインは話す。物語るのだ、声高らかに
謎に包まれた惨劇を 至高の偉業を
かつてそれらは、深みの底で
周囲の日向で 木々の陰で 成し遂げられたのだった。

ラインはあらゆる音色で奏でる 楽しげに、軽やかに、重々しく
庭や葡萄畑や城主らを歌うために。
天然の調べは 芸術の掟に従う
鷲たちが水を飲みに来る紺碧の入江の中に
木の船の中に 音楽院の神は創り給うた。
グルック、ウェーバー、ベートーヴェン、そしてモーツァルトを。


夜明け
美しい夏の日だ、 空に鐘を鳴らすのは。
朝一番だ、 その柔らかな光、
水平線の光が川面を銀色に染めにくるのは。
山々の樅の木立のてっぺんは色づいている
馥郁たる空気は夜明けの合奏で満たされ
川を渡る風に、鳥たちの歌に 満たされる


出発
若い樵(きこり)たち、河岸の生まれの若者たちは、
空いた小舟を 嬉々として川に浮かべる。
舟は進む、危げなく、晴朗な青空のもと
彼らの純真な声、その魂の愛情溢れるこだまが
歌うのだ、 櫂の呟きを伴奏に、
ラインの古城に向けて青春の讃歌を


夢想
やがて、陽気な声は河岸で潰えた。
幸せな旅人たちは夢に身をゆだねるのだ!
櫂はもはや水の道を漕いではゆかない。
声の讃歌が終わると、心の讃歌が始まる。
涙が彼らの目を濡らす。広大な水平線の上に
その目は昔のゲルマン民族が若返るのを見た。


ボヘミア女
だが黒雲が 河岸の上に沸き立った。
唄歌いの ボヘミア女がやってくる。
女は、陽気な波の音にダンスを混ぜ
そして、樵たち高貴な信仰の美徳を嘲弄しながら、
最も忠実な心たちに、不実を唆(そそのか)しながら、
低くうなる太鼓の上で鈴の音を響かせる。


ないしょ話
動かない小舟の上で彼らはみな心打たれた
狂おしい女占師の悲しい歌に。
彼らは波に櫂を、風に帆を返す、
皆が愛する対話を彼方へ探しに。
澄んだ空気がボヘミアンの雲を晴らした
夢の中で聞いた、曖昧な音のような雲を


帰郷
日は落ちた。ラインに夜の帳が下りる。 
星たちに向かって、歌うこと、生きること、それは喜びだ。
夜は、夏には、夜より美しい…
明日、おお若者たちよ、君たちは再び唱えるだろう
大河への挨拶を、夜明けへの讃歌を。
ラインに倣え、ラインは永久(とわ)に歌うのだ




Georges Bizet [1838-1875]

Chants du Rhin −Six romances sans paroles−
  [1] L’Aurore
  [2] Le Départ
  [3] Les Rêves
  [4] La Bohémienne
  [5] Les Confidences
  [6] Le Retour
[7] Chasse Fantastique en mi bémol majeur
[8] Nocturne en fa majeur Op.2
[9] Nocturne en ré majeur
[10] Variations Chromatiques en do mineur
L’Arlésienne −Drame en 3 Actes d’Alphonse Daudet− (Réduction pour piano par le compositeur, extraits)
   Acte I
  [11] 1. Ouverture
  [12] 6. Mélodrame et Chœur Final
   Acte II
  [13] 7. Entr’acte et Chœur. Pastorale
  [14] 15. Entr’acte
  [15] 17. Intermezzo. Minuetto
   Acte III
  [16] 18. Entr’acte. Carillon
  [17] 21. Farandole
  [18] 22. Entr’acte (Adagio)
  [19] 23. Chœur
  [20] 26. Mélodrame
  [21] 27. Final

Fortepiano made by Ignace Playel & Compagnie, 1848, Paris

Recording Location: Kirari Fujimi, 5-7 June 2017



Kikuko Ogura (fortepiano)
 Kikuko Ogura studied piano at the Tokyo University of the Arts and its Graduate School. She further studied at the Conservatorium van Amsterdam, graduating with “Cum Laude”. In 1988, she was awarded first prize at the Japan Mozart Piano Competition (piano category). In 1993, she won first prize for ensemble in the Bruges International Early Music Competition. Then in 1995, she was awarded first prize (and audience prize) in the fortepiano category of the Bruges competition as the third person in its history, after not being awarded for nine years.
Ogura has developed several unique concert series such as “The Musical Treasure Box”, “Beethoven and his Women”, “Mozart and his Era” and “Mozart’s Clavier Room”. She performs widely in solo recitals, chamber music and concertos in repertoire ranging from the baroque to twentieth-century music, and often appears in concert hall’s own series, music festivals, and on radio and television. Her lecture concerts and recordings using the instruments in the Hamamatsu Museum of Musical Instruments have been highly acclaimed.
She has made over 40 recordings, many of which have been highly recommended in Japanese major newspapers and have been chosen as the Best Disc in the Record Geijutsu Magazine. Her disc “English Sonata on Broadwood Piano” was awarded Grand Prize in the Record Category of the National Arts Festival 2012. She has also published a book “A History of the Piano” (Kawade Shobo Shinsha) and a critical edition of “Giustini: Twelve Sonatas” Volumes I and II (Edition Kawai). She currently teaches on the Early Music Course of the Tokyo University of the Arts.